Zapfinoは語る

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2017.07.01

2017年7月

梅雨空が続きます。しばらく雨も降らなかったので、もっと降っても良いなぁ。と思いますが、何しろじっとりと暑い。
家の中で仕事をしている分には全然いいのですが、打ち合わせ等で街に出ると不快に思います。湿気への感じ方も、場所によって全然違って来ますよね。

森の中の梅雨とは仲良くできるのですが、混み合った駅構内の梅雨は嫌い。なんて、同じ梅雨なのに好かれたり嫌われたり。

今月の稼働率

さて、今月の稼働率です。
相変わらず混み合っておりますが、隙間に細かい仕事は出来たりしています。

先月同様、新規案件は急ぎでなければなんとか受けられるかと思いますが、緊急の案件はお受けできません。

今月のFONT紹介は「Zapfino Extra」

先月に引き続きヘルマン・ツァップさんの作ったフォントです。
流れるようなカリグラフィをそのままフォントにしたような美しいスクリプト体で、1998年に発売され、その後に小林章さんも参加して改定されたのが「Zapfino Extra」です。

最近に作られたフォントですが、考えると当たり前で、鋳造活字ではここまで文字の大きさが異なり、隣の文字と重なったりするフォントを組むことは出来ませんでした。
デジタルの技術がこのフォントを可能にしてくれたのですね。ありがたいー。

Zapfino extra

Macを使っている人は見たことがあると思います。
一回見たら忘れないエレガントさ。
初めて見たときの感想は「かっこいい!けど、使えない!」と思いました。
特にアセンダー(書体の上の部分)に特徴がありすぎて、くどく感じてしまいました。

しかし、改定された「Zapfino Extra」では、そんな僕の小さな悩みが見事な形で解決されていました。
このフォントは基本となる「one」「two」「three」「four」。そして「Small Caps」や、装飾された「Ligatures」等々、それぞれ形の違うフォントがファミリーとなっていて、形を文章に合わせて変化させることが出来るように作られています。
実例で見てみましょう。

Zapfino extra
Zapfino extra

上は「one」のみで組みました。Macに入っているものとほぼ同じものです。
下は基本は「one」で組み、文字によって「two」「three」「four」を使っています。
下の方がより手書きっぽい雰囲気になっていませんか?

一番わかりやすいのが「Illustrator」の“ll”とか「Apple」の“pp”とかの、同じ文字が繰り返されている部分です。
上は同じフォントですので、当然同じ文字形が繰り返されます。
しかし、下の方は1文字ずつ変化が出ていて、ただの繰り返しではなく、リズムが生まれています。
あとは気になっていたアセンダーを少し変えたりして変化を出すように組んでみました。
そうすることによって、より語りかけてくるような雰囲気になりませんか。

日本人には馴染みのないスクリプト体は、なかなか主役としてバーン!とロゴにしたり、メインキャッチに使ったりすることは難しいのですが、シンプルでクールにデザインされた中にさり気なく使っても厚みが増します。手書きっぽさを活かして装飾的に使うのにも良いと思います。

静かな書斎から語りかけてくるような、知的な雰囲気のある美しいフォントです。

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