11月の石

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2024.11.01

EMDesigns 2024年11月のニュース

夕方に事務所で作業を行なっていて、ふと気づくと窓の外が真っ暗になっていたりするのですが、まだまだ暑い日も多く、身体の感覚とのずれを感じたりします。体はまだ夏の終わりぐらいの感覚なのですが、夜が更けるのが早い。これからはこれがスタンダードになっていくのかもしれませんが、長い間に染みついた感覚がまだ追いついていません。

そして思うのですが、自分の中に長年の生活によって作られたリズムをいかに外すか。というのがとても大事なのではないかと思うことが増えました。一日のリズムや一年のリズム。それは安定していればしているほど、心に安定をもたらすことになるのだと思いますが、反面、マンネリも生み出したりします。「リズムを外す」と言っても、もちろん「安定を捨てる」ということではなく、安定したリズムを刻みながらも、8ビートだけではなくシャッフルや16ビートなんかも出来るようになっておく事が、大事なんじゃないか。という事です。(謎のドラマー例え)

人生が例えば80年だったとすると、生まれてからさまざまな経験を積み重ね、ようやく自分のリズムが安定して出来てくるのが35歳だとします。あとはそのリズムに乗って、定年まで30回リズムを刻み続けた場合(定年が65歳と仮定)、65歳になった頃には、かなり安定したリズムを作り出す名ドラマーになっているかもしれません。
ただ、その後には定年後のリズムチェンジが待っているのです。(僕に定年があるのかどうかは置いといて)8ビートを叩き続け名手になった人が、急にシャッフルを要求されても、簡単にはできません。または、一定に刻んでいたリズムに、ブレイクを入れる必要になった時に、その余白に耐えられなくなっているかもしれません。

あらためてヨタッたシャッフルを刻みはじめるのも、もちろん悪くはありませんし、もうリズムを刻まない。と言う手もあるのかもしれません。でも、そうなる前に社会生活から大きく逸脱しない程度(逸脱してもいい)に、色んなリズムを習得するのは、少なくとも楽しそうです。リズムチェンジがなにを意味するのかは人それぞれだと思いまが、転職をするのもよし、新しい趣味を始めるのもよし、何か目標に向けて努力し始めるのもよし、はたまた仕事を全部辞めて自給自足の生活をするのもよし。

そう思って始めたのが、僕の場合は21gというブランドでした。ふとしたタイミングで「今のままでいいと思ってるのか?」と疑問に思い「今までの考え方は終わりにしよう」と、Tシャツのデザインを始め、生まれたのが「the end」というタイポグラフィTシャツでした(誕生秘話)。皆さんも「the end」Tシャツを着て、今までの自分に終わりを告げてもいいんですよ。

11/30(sat)、12/1(sun)には、自分が主催のファッションイベントを行いますので、お時間のある方はぜひいらして下さい。
その名も「CHIRISTMAS DISCO FASHION DAYS」です。どういうセンスだ!とお思いでしょうが、きっと素敵な二日間です。

今月のFONT紹介は“石井ゴシック”です

フォント紹介と言うと偉そうなんですが、自分の勉強の為に毎月書いています。意見も個人的な意見となりますが、良かったら読んでみて下さい。

今回紹介するのは“石井ゴシック”です。モリサワから新しく発表された新書体す。といっても、写真植字時代の名フォントなんですが、今回はそれを現代に合わせて改訂したものとなります。僕自身は、写植は使ったことがありませんし、石井ゴシックも使ったことがなかったのですが、そんな往年のフォントを使えるなんて!とワクワクしています。早速見てみましょう。

石井ゴシック

古いフォントなので、クセが強いかと勝手に思っていましたが、現代に使っても全く問題ないゴシックフォントですね。ふところが狭くクラシック寄りのフォントで、細いウェイトはすっきりとしていてクリーンなイメージがあります。太いウェイトはぎっしりと密度が濃く、見出し用としてとても使いやすそうです。ウェイト展開は、オリジナルからは追加されていると思いますが、使うのにちょうど良い感じになっていて好印象です。

また、拡大して細かくみていくとよく分かりますが、太さに抑揚がついていて、筆の運びを感じさせるのが特徴となっています。ものすごく作り込みが細かく、線の交差部分には若干墨だまりのような曲線も見受けられます。

石井ゴシック 拡大

次は欧文を見ていきましょう。

石井ゴシック 欧文

石井ゴシック 混植

こちらも癖のない、いわゆるヒューマニスト・サンセリフ書体です。gがメガネgなのも良いです。混植も問題なく綺麗に並んでいて、読みやすいですね。

ざっと見てみましたが、古い書体にありがちなバランスの悪さや、使いにくい部分はあまり見受けられず、かなり本気で現在の使用に耐えられるように、調整されている印象でした。あとは実際に使ってみて、いろいろ知っていきたいな。と思わせる完成度の高いフォントファミリーだと感じました。僕はオリジナルの石井ゴシックを知らないので、新書体として素敵なフォントが追加されたなー。と言う印象で「今度”石井明朝”も見てみたい」と、すっかりファンになりました。

さて、今月はこの辺で。
そういえば、今秋はすでに秋刀魚を6尾ほど頂いています。ふぅ。美味しい。これから寒く暗い冬が来る前のご褒美(別に冬も嫌いじゃないけども)。まだまだ食べたいです。
秋刀魚だけでなく、秋の味覚というのは格別です。楽しみながら、仕事も頑張りましょうー。

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