書体を知る事は、デザイナーにとって非常に大事です。
というか、書体を知らないとデザイナーとして仕事を行うのは困難であり、書体の引き出しが多ければ多い程デザインの引き出しが多い。とも言えると思います。
そして、書体を知るには「書体デザイナーに聞くのが一番」という事で、オススメの本を紹介いたします。
全体の構成ですが、タイトルの「もじ部」が示すように、“書体デザイナーが部長”で、“参加者(デザイナーや学生)が部員”と、部活動のような設定で、対話方式によって進められていきます。※実際の内容は先生と生徒みたいな感じです。
部長として登場するのは、名前は知らなくてもデザイナーなら一度は使ったことがある、あのフォントやこのフォントを作った、錚々たるメンバーが登場し、フォントを作った時の話などが語られており、読み応え十分です。
今まで何気なく使用していたフォントが「この人が作ったのかー」とか「こんな背景があったのか」と知識が増え、フォントを使う時のワクワク感が増したり、フォントを見る際により深い部分で理解出来るようになるきっかけになる事でしょう。
本編の後に巻末綴じ込みとして「もじモジ座談会 フォントデザインについてあれこれ語りました!」という“おまけ”というには豪華な内容の綴じ込みが付いています。
個人的にはこの綴じ込みを強くオススメしたいです。
内容は、小宮山博史さん、藤田重信さん、鳥海修さん、小林章さん、祖父江慎さん。と、これまた豪華メンバーが集まって、書体について話し合っています。
その内容がとても面白く、書体についての知識を得ると同時に、書体を見る面白さも知ることが出来ます。
また、綴じ込みの作りが面白くて、タイトルや本文に使用される書体が、場所によって変えてあって、書体によって雰囲気が変わるのが感じられ、とても面白かったです。
「書体が無かったら、我々デザイナーの仕事がどれだけ困難になる事でしょう」と言う所まで考え出すとキリがないのですが、デザイン制作という作業において、書体がデザインに影響する割合を思うと、書体デザイナーの方々には頭が上がりません。
そして、その方々がこだわり抜いて作った書体を使わせて頂いている我々も、良い仕事をしていかないといけない。と背筋が伸びる思いがしました。
フォントを使用する際に疑問を感じている方にはもちろん、書体の知識を広げたい。という方にもオススメです。
書体選びに一段階の深みが加わる事間違いなしです。
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