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【書評】クリエイターのための法律相談所

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2015.04.08

クリエイターのための法律相談所

WEBやグラフィック等、デザイナーとして活動していく上で関わってくる法律といえば著作権、肖像権、意匠権等が挙げられます。

普段仕事をしていて、デザインに使用したいアイコンを、素材サイトからダウンロードする時や、無料の素材等を使用する際に「あれ?これってどこまで使っていいの?」と、ふと疑問に思ったり。
はたまた自分の制作物を納品した後にクライアント様から「制作ファイルも納品して下さい」と言われた時に「あれ?そんな契約だったっけ?」なんて思うことって多いですよね。

実際にそんな風になってから調べてもいいのですが、出来れば仕事を始める前に確認を取る意識を持っていると、不要なトラブルも避けられます。
今回紹介するのは、そんなクリエイターの為の法律に関わる本です。

こんな有難い本を書いてくれた著者ですが、松島恵美さん・諏訪公一さんです。
お二人とも弁護士の方ですが、デザイン関連を扱うことが多いのか、本当にデザイナーが良くぶち当たる問題を分かりやすく書いて下さっています。

デザイナーの責任として

デザイナーなら、著作権や肖像権を意識していると思いますが、割とぼんやりとした知識のままだったりしませんか?
僕はそうでした。。この本を見てとても反省させられました。

肖像権を侵害している画像をアップしてしまったり、使用許諾範囲を十分に確認せずに納品してしまったりした際に、万が一訴えられたりした場合、クライアント様のイメージを損なってしまったり、多大な迷惑がかかってしまいます。

そうなってしまった場合、当然その損害の責任をクリエイターが取らなくてはなりません。
自分を守るというのもそうですが、まずはデザイナーとして責任を持って知っておくべき知識だと思いました。

自分の権利を知る

また、自分の制作物にどんな権利があるのか?というのもとても大事だと思いました。

  • 制作ファイルを納品したら、クライアントが勝手にデザインを変更していた。
  • ポスターのデザインを納品したら、リサイズされてフライヤーとして使われていた。
  • コンペに参加したら、全て不採用にされたのに、提出案にそっくりなデザインが制作されていた。

等々、デザイナーをしていると、こういう「あれ?」という事が起きたりしています。

法律や権利があるからと言って、全ての事例に行使出来る訳ではありませんが“まずは知っておく”という事がとても大事です。

事後だと中々喧嘩になりそうで言えない事も、案件を着手する前段階で確認出来ていれば防げる事案も非常に多いと思います。
そのさじ加減は人それぞれだとは思いますが、知らなければ何もできませんしね。

僕はこの本を読むまで、自分のデザインにある権利や、クリエイターを守る為の決まりがこんなにあるという事を、知りませんでした。というか曖昧に考えていました。

「クリエイターのための法律相談所」は、一冊全てを読んでも為になるし、「あれ?」と思った時に辞書のように調べる事も出来ます。
クリエイターの方は一冊持っていると良いと思い、紹介させて頂きました。

この本について

題名
クリエイターのための法律相談所
著者
松島恵美、諏訪公一
発行者
久世利郎
発行所
グラフィック社
発行日
2012.3.25

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