近い将来の予感

,

2024.06.01

EMDesigns 2024年6月のニュース

季節は進み、春から梅雨へと移り変わる今日この頃、空気は重く湿り気を帯び始めています。空は雲に覆われ、日照時間が少なくなり鬱々とした気持ちになりそうになると、アジサイの花が気持ちを持ち上げてくれる。そんな時期です。

そのように、季節の変化に伴って起こる気持ちの変化や、気圧による変化、はたまた月の満ち欠けに精神的、肉体的な影響を受ける我々人類です。とか言いながら、僕自身はというと鈍感というか、ほとんど自分自身で何かの影響での精神的変化に気づくことはなく、だいたい淡々と過ごしています。

ただ、それでも振り返ってみると「若干、人と会わずにひたすら籠っていたな」という時期があったりします。ごく最近もそのような時期だったらしく、そういえば気づいたら仕事以外で殆ど人と会っていませんでした。別に「誰にも会いたくない」とか思っているわけでもなく、ただなんとなくそういう時期があるのです。そして、あるタイミングを過ぎると、堰を切ったように人に沢山会う時期が来たりします。雨季と乾季のように。ただ、そのタイミングは特に季節は関係ないようです。また、その雨季と乾季での気持ちの差も、自分自身では殆ど違いがわかりません。よく分からないけど沢山人に会ったり会わなかったりする時期があり、また、会いにきてくださる方が増えたり減ったりする時期があるのです。

その、潮の満ち欠けのようなバイオリズム的なものが、自分自身の中のリズムなのかもしれません。だいぶ長いこと生きて来ているのですが、なかなか自分自身で掴めないことの方が多く、また、いくら頑張っても自分の理想には程遠いな。と感じることの多い自分ですが、雨とか、太陽とか、アジサイの花の明るさとか。そして僕と遊んでくれたり、会いに来てくださる方々に支えられながら、なんとかやれています。

最近では少しだけ、近い将来の予感として「そろそろ雨季がやって来そうだな」なんて事がわかるようになって来ました。もちろん当たることもあるし、当たらないこともある。程度の全く役に立たない予感なんですが。

今月のFONT紹介は“Shorai™ Sans”です

フォント紹介と言うと偉そうなんですが、自分の勉強の為に毎月書いています。意見も個人的な意見となりますが、良かったら読んでみて下さい。

毎月恒例の「もう紹介するフォントがないよ」なんて言いながら、ふとMonotypeのページを開いてみたら、ありました!しかもMonotype社から出す、“たづがねゴシック”に次ぐ日本語書体でした。その名も“Shorai™ Sans”。Shoraiは“松籟”で、「松に吹く風。それが立てる音。また、これに見立てて、茶釜(ちゃがま)の湯が煮えたぎる音」という意味のようです。知らない日本語ってまだまだ沢山ありますね。

このフォントは、Avenir Nextの造形的要素を持つ日本語書体。というテーマで作られている書体です。ウェイトは圧巻の10ウェイトもあります。これは期待が持てますね。見てみましょう。

Shorai Sans

文字の大きさが均一で、ハネなどの筆運びの表現や装飾要素が少ない書体で、新ゴのようなモダンなスタイルですね。ウェイトが豊富で、最近では必須となった極細のウェイトから、綺麗なグラデーションで極太のウェイトまで揃っています。中でもこの極太(Heavy)はすごいですね。ここまで来ると、軽い方のウェイトで感じたモダンさはなく、強烈なインパクトを生み出しています。

そしてそして、このフォントの特徴である、Avenir Nextを元に開発されている。という部分は要注目ですね。

Shorai Sans 混植

混植はこんな感じです。Avenir Nextの字形はそのままに、日本語書体の大きさに合わせて調整されていて、日本語と英語が綺麗にまとまり、かつ読みやすくなっています。すごいなー。

我々使う側としては、こういうフォントはあればあるほどありがたいですね。例えばHelveticaに合わせた日本語書体とか、DidotとかAvant Garde Gothicとか、色々とみてみたいものはあります。思えば、田中一光さんが作られた“光朝”は、Bodoniのような日本語書体を作りたい。ということで作った書体ですので、先駆けとも言えるものでしたね。

ただ、ライセンスの問題等があるのでしょうが、欧文書体はBodoniではなく、それっぽい欧文ですので「Bodoniだったらいいのになぁ」と思わずにはいられませんでした。ただ、Monotype社がやり出すと、この問題は一気に解決となります。そして、市場規模的には日本語にそこまで力を入れるかはわかりませんが、日本のメーカーがこれに太刀打ちしようとすると大変ですね。欧文フォントのライセンスはほとんどがMonotype社が持っていますし。フォントもグローバル化の波が日本語書体にまで到達しているのかもしれません。

ちなみに、Monotype社のサブスクリプション契約をしていると、これをWebフォントとして使用可能です。極太書体を大きく使ったデザインを、ウェブフォントでやってみたいな。と思いました。おわり。

さて、もうすぐ夏ですね。やってくる夏を予測したり思ったりする事は、人間ならではの能力なんだと思います。これまでの繰り返しや経験則から、「おや、もうすぐこうなりそうだな」なんて思ったり。とても役に立つ能力ではあるのですが、繰り返し来ると思い込んでしまう事の欠点もあるなぁ。と思いました。
自分の仕事で言うと、ウェブサイトを作る仕事は沢山やって来ているし、これからもやっていくと思いますが、それは繰り返しの仕事ではなく、一つ一つ違う仕事だということを肝に銘じ、すべての仕事に向き合いたいと、自分に言い聞かせながらコツコツ頑張りたいと思っています。

それでは、今月も新しい仕事にチャンレンジいたします。よろしくお願いします。

Other news

関連するNewsの一覧です。
合わせてお読みください。