鎬とヒラギノ明朝

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2020.09.01

2020年9月

梅雨が明けた途端に暴力的な暑さが続きました。暑さには滅法強く、外を歩くときはわざわざ日向を選ぶくらい夏好きの僕ですが、この暑さには少々参りました。

なんというか、気持ちよくないんです。一瞬で頭がぼうっとするどろ〜んとした熱風が吹き、全然健康的じゃない。なんだったら日傘をさしたい位、日光を避けたい気分になる暑さです。ふぅ。

この暑さでコロナウィルスも全滅して欲しいものですが、それどころではなく、むしろ感染者数は増えていますね。第二波という見解なんですかね。ただ、なんとなくコロナウィルスのある生活に慣れて来たような気もします。それでも、コロナウィルスの影響は多岐に渡りますし、勿論自分も当事者として大小様々な影響を受けていますが、総じて悪くないといいますか、いい時間になったような気がしています。

一時期は仕事が0になる。というフリーランスとしては恐ろしい事態にもなりましたが、不思議とそこまで焦ることなく、自分自身と向き合う時間として過ごすことが出来た気がします。勿論「潰れるかもな」という考えは頭を掠めましたが、結局はコロナに関わらず自分が必要とされなければ潰れるだけだな。という妙に達観した自分を発見したりしました。良いことか悪いことかはさて置き。ですが。。

今月の見出し画像は青梅の作家「上泉秀人」さんの湯呑みです

シンプルで潔く、荒々しいようで繊細なこのシマシマの湯呑み。この柄は鎬(しのぎ)と言って、刀・やじりなどの、刃の背に沿って小高くなっている部分を表しています。上泉さんの器と言えばこの鎬模様だな。と個人的には思っています。(勝手な解釈です)

手に取ってみると、結構とがっていてびっくりします。この鎬模様が様々な線を描き、自然の風景のようで見飽きません。

作者である上泉秀人さんは、武士の末裔だそうで、「それで鎬なのか」と、上泉さんご自身の佇まいとともに妙に納得させられます。一見飄々としていて、大雑把な感じもしますが、その言動には優しさが溢れています。この器と同じように優しくとがっている。と言いますか。不思議な魅力溢れる大好きな人です。

器からも溢れ出てくる優しさと尖った鎬は、器を使うたびに少し僕を励ましてくださるかのようです。
「齋藤君、とにかくコツコツやることだよ」と。

今月のFONT紹介は“ヒラギノ明朝”

フォント紹介と言うと偉そうなんですが、自分の勉強の為に毎月書かせて頂いています。意見も個人的な意見となりますが、良かったら読んでみて下さい。

今回は、作家紹介と合わせて書体を選んでみました。鎬のようにキリッとしたイメージの明朝体。という事でヒラギノ明朝体です。

Macに標準で入っているフォントですので、デザインをやっていない方でも目にした事があるんじゃないかと思います。Appleに選ばれる書体という事からも、非常に洗練されたクオリティーの高いフォントである事がわかるかと思います。
まずは見てみましょう。

ヒラギノ明朝

ヒラギノ明朝 w2

ヒラギノ明朝 w3

ヒラギノ明朝 w4

ヒラギノ明朝 w5

ヒラギノ明朝 w6

ヒラギノ明朝 w7

ヒラギノ明朝 w8

ウェイトは上からW2〜8までの7ウェイトとなっていて、色々な大きさで使う場合にも黒みのコントロールがしやすいのがありがたいですね。しかし、なんでウェイトがW2からなんだろう?更に細いW1も将来的にあるかもしれないですね。どうかな。

明朝体は筆文字を基本としている為に濃淡の差が強く、黒みが強くなりがちなのですが、この書体は明るく、クールで都会的な印象が強い書体です。とても品があっていいですね。

また、一つのデザイン内の全て明朝体ではなく、ゴシック体と組み合わせて使用する場合には、兄弟的な書体として“ヒラギノ角ゴ”があります。文字の幅や重心の高さが近いので、違和感なく組み合わせる事が可能なこともポイントが高いですね。その場合、ウェイトはゴシックの方が一つ下の方が太さが合いそうです。明朝がW2ならゴシックはW1みたいな感じ。

この書体は紹介していても良い部分ばかり見えてきますし、隙のない書体だなぁ。と思いますが、敢えて欠点を一つ言うと「使いやすすぎて、使いにくい」という事です(かなり個人的に)。これを使ってしまうと、割と簡単にキッチリと仕上がってくれるので、ちょっとサボっている気がしてしまうというか、安易に済ましている感じが自分の中でしてしましまうのです。ヒラギノ角ゴも同様に。

「どうしてもまとまらなければ使おう」と、箪笥の奥にしまってあるような感じです。でも、とても優秀な書体である事は間違いないです。いつか使うぞ(また箪笥に。。)

さてさて、今日はこのへんで。今月も頑張りましょうー。

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