再びのたづがね

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2021.06.01

2021年6月

緊急事態がまたまたまた延長されましたが、皆さまお元気でしょうか?
本当に大変な思いをされている方々がいらっしゃいますし、その深刻度は益々深まるばかり。という状況になりつつあるように感じています。
その中で、ワクチンの接種がいよいよ開始された事が、今見えている唯一の希望の光というか、本当にそれで事態がよくなって欲しいと願っています。

自分は元々、そこまで“宴会好き”でもありませんし、むしろ苦手な部類に入る人間なのですが、こういう状況が続くと「パーっとやりたい!」と思うことも増えてきました。
昔から当たり前のように続いていたお祭りやイベントも、「開催できない」と聞くと、とても寂しいです。病気になると健康のありがたさが分かる。という事に似ていますね。

せめて、そこから学びとりたいですね。「今、生きていることは素晴らしい」と。それを心に刻み生きていけると良いですよね。

今月の見出し画像は陶芸作家「櫻木 綾子」さんの作品です

当事務所の壁に設置された不思議な球体。球面はサラサラした手触り。先端の方はツルツルしていて、地層のように隆起したり陥没したりしています。心象風景のようでもあり、自然の作り上げる奇跡のようでもあります。なんとも説明しにくいのですが、一目見れば分かるのは、とても美しいことです。

これは、陶芸作家の櫻木 綾子さんの作品です。とあるクラフトマーケットで出会った時に、その美しさに驚いたのですが、タイミング的に購入には至らず、その後「買えば良かったなぁ」と度々思い出していたのでした。しばらく経ち、個展を開催される事を知り「絶対買う!」と、事務所にお迎えしたのでした。ちなみに、先日開催したマーケットにも出ていただきました。

櫻木さんの作品は、いわゆる“陶芸”という表現には収まらない独自性があります。僕が拝見したマーケットでも一人浮いている(褒め言葉です)というか、違う世界のもののように映りました。昼間のマーケットなのに、一人だけ夜(褒め言葉です)というか、とても説明しにくいのですが精神性を感じる、大好きな作家さんです。

うちの事務所には、もう一つ花器(こちらも美しい)もありますので、興味のある方は見にきてみて下さい。

今月のFONT紹介は“たづがねゴシック info”

フォント紹介と言うと偉そうなんですが、自分の勉強の為に毎月書かせて頂いています。意見も個人的な意見となりますが、良かったら読んでみて下さい。

さてさて、今月紹介するフォントは“たづがねゴシック info”です。以前は“info”のつかない“たづがねゴシック(以下“ノーマルたづがね”と呼びます)”を紹介しましたが、それとは別バージョンの書体となります。書体名に“info”がつくから、インフォ用なんだろうなと思いますが(インフォってなに?)。
前回の“たづがねゴシック”を紹介した記事は、2017年の4月に紹介していましたので、あれから4年の歳月が経ったのですね。時が経つのは早いものだ。とか個人的な感想はどうでもいいとして、今回はいかに“info”なのか?をご紹介していきます。

まずはズラっと並べてみます。

たづがねゴシック info UltLt

たづがねゴシック info Thin

たづがねゴシック info Light

たづがねゴシック info Book

たづがねゴシック info Regular

たづがねゴシック info Medium

たづがねゴシック info Bold

たづがねゴシック info Bold

たづがねゴシック info XBlack

さて、どうでしょうか?“ノーマルたづがね”との違いがわかりますか?わかりません。
いきなりで恐縮ですが、“ノーマルたづがね”とどこが異なるかを当ててみて下さい(突然のクイズ)。上が“info”で、下が“ノーマルたづがね”です。

たづがねゴシック 比較

たづがねゴシック 比較

こうして並べると結構違いがわかりますよね。そう、かなが違います。
“info”の方が、ふところが広くて、線がより簡略化されています。タブレット端末などのモバイルデバイス、コンピューターディスプレイ、車載用ディスプレイ、デジタルサイネージなどの用途を想定して作られています。

実験として、より小さい字にして、見え方に差が出るかどうかを確かめてみましょう。こちらも上が“info”で、下が“ノーマルたづがね”です。

たづがねゴシック 比較

たづがねゴシック 比較

なるほどなるほど。
印象としては“ノーマルたづがね”の方がスムーズな流れで読める一方、“info”の方がカタカナ、平仮名、漢字、というパーツ毎に飛び込んでくる感じがして、長い文章をこれで読むと疲れそうです。というか、ここまで印象が変わると全く性格が違うというか、声の大きさが変わるような印象を受けますし、仮名の重要性がわかりますよね。いやー勉強になります。

方向性としては、UD(ユニバーサルデザイン)フォントと言われる、目の悪い方等も含め、できるだけ多くの人が利用可能であるようなデザインの書体のようなイメージですかね。
特にこの書体は、例えばカーナビに表示される文字として使用された際、車を運転しながら見ることを想定すると、こうしたパッと読める文字が危険を防いでくれたりしますので、すごく実用的というか、場合によっては命に直結するフォントとも言えます。なので、前バージョンのが美しかった。とかそういう話ではなく、それぞれの役割がある。という事ですね。

このように、文字という機能性を最大限に高める為に、書体の持つ役割の大きさはすごく大事な要素になってきます。毎月、フォント紹介を続けながらも「これ、意味あるのかなぁ?」と思うこともありますが、自分の中での気づきも沢山あって、その都度「続けてきて良かったなぁ」と思えますし、まさに今回の“たづがねゴシック info”も、比較してみてとても勉強になりました。いやー。フォントって奥深い!

さて、今月はこの辺で終わりにしたいと思います。
そろそろ梅雨が始まるのかな?と思うような日が続いたと思ったら、なんかまた遠くに行っちゃった感があります。とは言え、すぐそばまで夏が迫っているのです。待ち遠しいなぁ。
柄ではないですが、ビアホールとかで皆でパーっと飲んだり出来る日が来ることを、心から願っております。
夏は楽しいことが似合う季節ですもんね。

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