落雷とけやき

,

2025.09.01

EMDesigns 2025年9月のニュース

つい先日の夕方、仕事をしながら嵐の気配に気づいた自分は、嵐見学のために事務所のシャッターを開けて、外の様子を確かめるために外に出ました。ゴロゴロピカピカ。いい感じに夕立とかなり激しい雨が降り、それをうっとりと眺めていると、バーン!!!という爆発音と共に、自分の事務所から10m先ぐらいの電柱に落雷し、火花が飛び散りました。「危ないな」「でももっと見たいな」心の中の葛藤があったもののすぐに冷静になり、事務所の電子機器の状態を確認したりしました(無事)。その後も激しい雷雨が続きましたが、停電することもなく、インフラの逞しさに感謝しながら仕事を続けました。

そういうときに、自分が普段通りに仕事をしたりご飯を食べられたりするのは、他の人たちが仕事をして下さっているからだということに、ふと気付いたりします。雷に負けない電線網の構築・整備、豪雨にも負けない建物の建築、出かけなくても食べられる食材の開発、はたまたそれを食べる食器の製作。すぐに食事を温められる電子レンジの製造。と、ありとあらゆるモノは皆さまが作って下さっているものであり、脆弱な自分だけだと、きっと何も出来ないのかもしれません。

文字通り頭からつま先まで、全て誰かが作ってくれたもので包まれているのが、我々の社会です。そのことに感謝し、そして、その中で自分がやっている仕事は、どの程度社会の役に立っているのだろうか?とあらためて考えたりすることは、結構大事なのかもしれないな。と思った夕立の夜の出来事でした。皆さまありがとうございます。

それにしても、9月ですね。季節的には秋ですが、まだまだきっと暑い日々が続きます。皆さまお身体に気をつけて、楽しんで頑張りましょう。

今月のFONT紹介は“欅角ゴ Oldstyle Min2”です

フォント紹介と言うと偉そうなんですが、自分の勉強の為に毎月書いています。意見も個人的な意見となりますが、良かったら読んでみて下さい。

“欅角ゴ Oldstyle Min2”。フォント名にOldstyleとある通り、クラシックな骨格を持った書体となっています。とっても楽しみですね。さっそく見てみましょう。

欅角ゴ Oldstyle Min2

一目見てわかる味のあるフォントで、自由な筆の流れを感じる文字形、特にかなの奔放さがいい味となっています。金属活字の骨格をもとに、インク溜まりが再現されていて、温度を感じさせてくれます。ウェイトはMとBの二種類のミニセットとなっています。(「Min2」がそれを示す)レギュラーがないということは、見出しに使用することを想定しているのでしょうか?少し長い文章を組んで見てみましょう。

欅角ゴ Oldstyle Min2

この程度の長さなら読みやすく問題ありませんが、長文をこれで読むには黒みが強くなりすぎる気がしますので、やはり見出しから中程度の文章向けのフォントだと思いました。本文用のウェイトも見てみたい気がしますが、フォント名に「Min2」とついているという事は、これ以上ウェイトを増やすつもりがないのかもしれませんね。

欅角ゴ Oldstyle Min2 縦書き

縦書きはこんな感じです。こういうクラシックな日本語フォントは、やはり縦書きにするとしっくり来ますね。

欅角ゴ Oldstyle Min2 欧文

欅角ゴ Oldstyle Min2 混植

混植と欧文はこんな感じです。ここで使われている欧文は、カリグラフィをベースに、筆っぽい要素を追加していってるような作りとなっていますが、細かい部分を見ていると、そのバランスに感心させられます。毛筆で書くことをベースに作られた日本語と、カリグラフィーをベースに作られた欧文を同じフォント内で共存させるには、きっと悩ましいことが沢山あるのだろうと推測されますが、制作者のお話が聞いてみたいな。と思いました。

さて、いかがだったでしょうか。このフォントは使った事がなかったのですが、他のデザイナーさんが使っているのを見て「おっ!」と思って、調べてみました。このページ上部の見出し画像のように、極小の文字で使っても霞まずに、独特の雰囲気かつ読みやすいし、クラシックな雰囲気をフルに生かして使ってもいいし、モダンなデザインにポイントで使ったりしても、「おっ」と思わせることができる、知っておくと幅の出るフォントだと思いました。

まだまだ暑さは続きそうですが、これからは少しずつ秋の気配が増え、それに伴い秋刀魚を食べる回数が増し、着られる服のバリエーションも増えていきます。「夏といえば遊び」というのは昔の話で、これからは秋〜春があそびの時期なのです。ということで、楽しく頑張りましょう。今月もよろしくお願いいたします。

Other news

関連するNewsの一覧です。
合わせてお読みください。