情熱とロジック“Univers”

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2018.06.01

2018年6月

ほぼお休みが取れなかった怒涛の5月が終わりました。
ギリギリではありましたが、全て予定通り納品が出来ました。しかし、ゴールデンウィークあたりには「本当に無理かも」なんて思いながら仕事をしていましたが、お客様に迷惑をかける事なく終えられて本当によかったです。ふぅ。

仕事をしながら「6月に入ったら休むぞー」と思っておりましたが、そんなに甘くありません。
というか有り難いことに、9月ぐらいまで埋まる勢いでお仕事を頂いております。や・休みは。。

今月の稼働率

さて、今月の稼働率です。
稼働率は、月の稼働日数(今月だと21日)×8時間を100%として、その月に決まっている合計工数を割る事で算出しています。参考程度に考えてください。大体150%を超えると、少し慌ただしくなってくる感じです。

今月の稼働率ですが、慌ただしくなる一歩手前な148%といった感じです(まだ読めない部分があります)。
急ぎの案件でなければ、ご依頼はまだまだ受けることが可能ですので、どしどしご相談ください。

今月のFONT紹介は「Univers Next」

フォント紹介と言うと偉そうなんですが、どちらかと言うと自分の勉強の為に毎月書かせて頂いています。意見も個人的な意見となりますが、良かったら読んでみて下さい。

Universは、1957年にアドリアン・フルティガーさんが作ったフォントです。今回紹介する「Univers Next」は、2010年に作者であるフルティガーさんが改めてUniversを手直しして発売された書体です。

さて、どんな書体かを見てみましょう。

Univers Next Light

Univers Next Light

Univers Next Regular

Univers Next Regular

Univers Next Medium

Univers Next Medium

Univers Next Bold

Univers Next Bold

Univers Next Black

Univers Next Black

Univers Next Black

Univers Next Heavy

今回はスタンダードな字形のウェイト違いのみを紹介していますが、実はこのフォントはウェイトも種類も豊富で、ファミリー全部入れると60種類以上(!)となります。
見たい方はこちらで一覧が見られます。

合理的な設計思想によって制作され、見出しでも本文でもあらゆる使用用途を網羅するべく設計された書体です。大人気の書体「Helvetica」と比較される事もありますが、実は同い年のようです。
整った字形も一見すると良く似ています。

比較してみましょう

Helvetica Neue Light

Univers Next Light

Univers Next Heavy

同じ年に作られたという事から、互いが影響しあったという訳ではなく、また、同じ書体を参考にした訳でもないのですが、よく似ています。細かい部分は当然差がありますが、一見向いている方向が同じという印象を受けます。

しかし、その設計思想は異り、Helveticaは「Neue Haas Grotesk」を参考に作られたようですが、Universはローマン体の読みやすさを参考にして作られたそうです。
また、Universは、多様な言語で組んでも読みやすい事を目指しており、大文字を多用するドイツ語も読みやすくするべく、大文字の黒みを調整してあり、大文字を比較すると設計思想の差がわかりやすくなります。

Helvetica Neue Light 大文字

Univers Next Light 大文字

Univers Next Heavy

全体的にUniversの方が幅が狭く、小ぶりに見えるようになっています。“Q”とか“K”、“G”等がわかりやすいですが、よりシンプルになっていて、黒みを減らす工夫が見て取れます。

これまで、Helveticaとの比較をしてきました。似た要素があることは確かですが、実際に使用してみると使い勝手が異なり、決定的に書体の特性が違うことがわかると思います。「Helveticaの代わりにUniversを」という感じで使うと思い通りにならなかったりします(僕がそうでした)。
※書体を見るときに、フォルムばかり気にしてしまいがちですが、実際に使用して見るときに大事なのが、機能だということが、HelveticaとUniversを比較していて良く分かった事から、今回は比較しながら説明する方法を取りました。

Helveticaは、誰が組んでも割と洗練された感じに仕上がってくれますが、そのノリでUniversを使うと「あれ?」ってなったりします。
同じような意識で使うと、意図せずに“人間味”のようなものが出てしまう感じると思います。温度というか、少し“いなたい”雰囲気を感じさせます。
それが前述したベースの違いなのかもしれません。細かい骨格の違いや曲線の違いからでしょう。少し人間味が加わるのです。Universを使う際にはそこがポイントになってくると思います。いなたい。

フルティガーさんの作った書体は、モダンな書体にもどこか温かい部分があるような気がしますが、このUniversも使ってみるとやっぱりそうでした。
見出し画像に使いましたが、アンパサンドがクラシックだったりする部分にもこだわりを感じて素敵です。

Universは、書体デザインにも作者の人柄やポリシーみたいなものが出るんだなぁ。と感じさせてくれたフォントでした。
まさにロマンというか、情熱で計算されたフォントだと思います。素敵。

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