Verdant Verdana

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2025.07.01

EMDesigns 2025年7月のニュース

7月になりました。いよいよ夏真っ盛りです。海に行ったり、プールに行ったり、河原でバーベキューをしたり、バイクでツーリングに行ったり、自転車で旅をしたり、浴衣を着て花火大会に行ったり、夏祭りに行ったり。と、自分では絶対にしそうにないことを挙げてみましたが、夏のイメージというのは大体こんな感じじゃないでしょうか。ただし、社会人となってから「こんな事をしてる暇は中々ありません」という方も多いかと思います。しかも最近の猛暑は、日光浴はどころか、外出してる場合じゃなかったり、昔とは条件が変わってきていますし、そろそろステレオタイプな夏のイメージを刷新しても良い頃かもしれません(自分が)。

なぜこんなことを気にしているのか?と言うと「ステレオタイプ」こそデザインをする上で大事だったりします。我々デザイナーはそれを頼りに、社会との共通項に、少しの新しい糸を混ぜながら編んでいくのです。そして、それを行うためには、それなりの社会経験や文化への理解、はたまた常識を持ち合わせている必要があるのです。ってでもあれ?僕ってそんなに社会経験も豊富でもないし、常識があるかと言うと若干怪しい部分があります(苦)。そもそも、デザイナーは元々アート志向の強い人が多く、ステレオタイプから外れたものが大好きな人が多かったりします。

若く志を高く持ったデザイナーがエゴにまみれたデザインを垂れ流し、とんでもない勘違いを生み出したりすることは良くある話ですが、その良し悪しは、事例によってまちまちなので良しとしつつ、何が言いたいか?というと、前述の通り「社会との共通項に、少しの新しい糸を混ぜて編む」ということがデザインだとすると、その“新しい糸”の部分が、そのエゴにまみれた時期に育まれるような気がしています。そういうのは学校にも上司にも教えられない部分だったりしますし。

ステレオタイプや伝統や事例だけを用いて作ったデザインが悪いわけではないのですが、もしそれが正義になるとしたら、きっとデザインもAIにやらせた方が良くなります。でも、そのエゴのかけらのようなものこそが、人に訴えかける何かを宿す色を加えてくれるのではないかと思います。(というかそう信じたいのかなぁ)
かつて、僕自身が常識を疑い、やや危うい青年時代を過ごしたことが、今のデザインに活きている。と、最近になってようやく気づき始めました。なので、若いデザイナーたちよ、どんどん間違えたらいい。そしてたくさん怒られ「なんだあの何も分かってないクソダサい上司は」なんて言いながらも、諦めずに作り続けて欲しい。

きっとその先、段々と社会のことがわかって来た時に、うまい具合にブレンドされ、“その人だけのデザイン”ができるようになるのではないかと思います。

謎に若者に向けてメッセージを送り出してしまいましたが(老害)、ともかく、一生懸命やった先には、必ず何かしら得られるのだと思います。とはいえ、クレイジーな人だけが良いみたいに聞こえちゃうとアレなので言いますと、品行方正な方は素晴らしい。でも、クレイジーな人にも生きる道はある。ということを言いたかったのです。ともかく生きろ。生きる(謎)。

今月のFONT紹介は“Verdana”です

フォント紹介と言うと偉そうなんですが、自分の勉強の為に毎月書いています。意見も個人的な意見となりますが、良かったら読んでみて下さい。

“Verdana”は、WindowsにもMacにもデフォルトで入っていることが多く、ご存知の方も多いのではないかと思います。ただ、初めから入っているフォントは、敬遠しがちだったりしませんか?僕はまさにそうだったのですが、強制的に使用する必要が生じたことから、調べ始めたのが僕にとっての“Verdana”でした。ちなみに、今回ご紹介するのは、Adobeフォントに入っているVerdana proです。作者は作者がマシュー・カーターさんで、メイリオの欧文書体を作ったり、他にも数々の有名な書体の復刻なんかを手掛けている方です。
では見てみましょう。

ボルクロイド Min2 長文

Light,Regular,SemiBold,Bold,Blackという5ウェイトに、横幅の狭くなったコンデンスが用意されています。これはスペースの限られた場所に、綺麗に文字を流し込みたい時に重宝します。フォント全体の特徴はxハイト(小文字xの高さ)が高く、ふところ(内側の空間)が広い上に、黒みを抑える為にあっさりとした曲線が使用されていて、視認性の良さに特化されています。5つのウェイトがありますので、本文から見出しまでカバーできそうです。

ボルクロイド Min2 長文

こちらはイタリックです。こちらもそれぞれにコンデンスが用意されています。こうして各並べると、段々と黒みが増し、幅も広がっていくグラデーションがいいですね。

ボルクロイド Min2 長文

見出しに使うとこんな感じです。大文字が堂々としていて良い感じですので、見出しで使う場合、大文字がおすすめです。ちなみにこれはBoldです。

ボルクロイド Min2 長文

これくらい文字を小さく、文章を入れてみても視認性が高く、苦労せずに文字がクリアに判別できるのは見事ですね。とても優秀です。

さて“Verdana”を見てきましたが、いかがでしょうか?
僕は食わず嫌いしていましたので、この機会に調べることができて大変有益でした。とても使いやすいフォントという印象で、「デフォルトで使用されるのには理由がある」ということに尽きると思います。やはり食わず嫌いをせずに、実際に触ってみないとダメですね。(ヒラギノ角ゴシックなんかでも思い知っているにも関わらず、またやってしまった。)今回強制的に調べる機会を下さったクライアントさまに感謝です。

今回は前半に熱く語りましたが、実はフォント名の“Verdana”という言葉が「緑豊かな」「青々とした」という語源から来ているらしく、緑色の印象の含まれた画像を用意 → たんぽぽ → タネが飛ぶ → 若者へ。という発展がございました。謎の種明かしですが、なんの脈絡もなく熱くなった訳ではない。という謎の弁解も追加して、今回は締めたいと思います。ご精読ありがとうございました。水分をとって頑張りましょう!生きる。

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