大黒天とくれたけ銘石

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2020.12.01

2020年10月

師走でごわす。
そう。混乱に満ちた2020年も残りわずかです。破壊的な変化が起こり、予想外の事態が各地で混乱を巻き起こした一年でした。そろそろ走り疲れた頃かもしれませんが、まだ走る事になりそうです。だって師走となりましたから。

それにしても、今年は聡明な師匠の経験をもってしても先が見えないような日々が続きました。繰り返しのパターンを見つけて安心しがちな人類には大変ショックな出来事でしたね。
昨今の災害もそうですが「今まで大丈夫だった」が地球規模で通用しなくなっている。という事を感じずにいられません。それが何を意味するんだろう?と考え出すと、宇宙の流れとか果てしない事を考え出してしまいそうになります。

思えば、僕は中学生ぐらいの頃には学校にも行かずに、そういう事ばかりを考えていた気がします(コラ)。あまり褒められた事ではありませんが、無駄に巡らせた思考や、空想していた事が、今になってデザイナーという職業に役に立っている気がしないでもありません。
学校に行かない子は悪い子と看做されがちですが、その間に育っている何かがあったりもします。誰に対するメッセージかはわかりませんが、物事には必ずいくつかの側面があるものです。

今月の見出し画像は彫刻家「はっとり こうへい」さんの作品です

僕の事務所には、様々なアーティストさんや作家さんの作品を飾らせて頂いていまして、毎月一点づつその紹介をさせて頂いています。

なんともカラフルな大黒天の作品は、彫刻家「はっとり こうへい」さんの作品です。
金運が良くなりそうなこの作品は、先月紹介した遠田草子さん作の舟に乗せて宝船にしたり、独立して机の上にいたり、事務所に明るさを与えてくれる存在として活躍しています。

この作品は、元々木彫りの置き物で、それに色を付けて削った作品です。そのように元々ある形を利用した作品もありますが、木材からご本人が削ったものもあります。そのどれもが楽しくカラフルでエネルギッシュな作品で、見ると全部欲しくなっちゃいます。

アート作品には難解なものも多いですが、はっとりさんの作品は、誰が見ても「わぁ!」と笑顔にさせたり、「へー」と興味を持たせるような明快なパワーがあり、大人も子供も楽しめてしまう懐の深さを感じます。

こちらで作品を見る事が出来ますので、興味のある方は是非見てみてください。

今月のFONT紹介は“くれたけ銘石”

フォント紹介と言うと偉そうなんですが、自分の勉強の為に毎月書かせて頂いています。意見も個人的な意見となりますが、良かったら読んでみて下さい。

今回はモリサワに新しく追加された書体“くれたけ銘石”です。漢字と仮名が、別々のルーツを持つようで、中国南京市郊外で出土した晋代の墓誌銘『王興之墓誌』より復刻した漢字書体「銘石」と、森川龍文堂の活字見本帖『活版総覧』から復刻した和字(かな)書体「くれたけ」を組み合わせた書体。との事です。へー。

早速見てみましょう。

くれたけ銘石

くれたけ銘石 かな

わかりやすいように、仮名のみも紹介しました。1ウェイトのみとなっています。

すごくキャラクターがはっきりしていて、可愛らしくて味わいのある書体ですね。昔の看板とかにありそうな、なんとなく懐かしい感じがします。
見出し画像を見ていただけるとわかると思いますが、朗らかな手作り感のある雰囲気を出したい場合に向いているんじゃないかと思います。例えばお菓子のパッケージとか、気取らない雰囲気で美味しそうです(お腹減ってるのかな)。

でも、少し違和感を感じたのが欧文でした。割とオーソドックスな形のサンセリフ体になっていて「もっと合う欧文があるんじゃないかな?」と思って、さらに合う書体を探してみました。

くれたけ銘石 混植

いい!Akkoを組み合わせてみました。ウェイトはMediumです。結構いい感じですよね。探せばあるもんだなぁー。これで欧文との混植にも対応できて一安心です。

こういうキャラクターのはっきりした書体はそこまで使用頻度が高くないので中々買えなかったりしますが、モリサワのサブスクリプション契約だと定期的に追加されるのでとても有難いです。毎年の新しい書体の情報を見る時のワクワク感も含めて、とても嬉しいイベントとなっています。モリサワさんありがとうございます。

さてさて、今年も残りわずかとなりました。
コロナウィルスの感染拡大が気になりますが、わかっていた事でもありますので、注意しつつ社会をどうにか動かして行けたらいいですね。でも、感染を抑えるという意味でも、お正月ぐらいは大人しくお餅を食べていた方が良さそうですよね(やっぱりお腹減ってるのか)
それでは良いお年を!

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