“勘亭流”に気付かされたこと

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2019.09.01

2019年9月は勘亭流をご紹介

まだまだ暑い日は続きますが、気づくと夜にはすっかり秋の虫の声に変わっていて確実に季節が進んでいることを教えてくれます。そういえば仕事場からの帰り道も大分暗くなりました。

ちょうどこの頃の、夏が終わりかかる雰囲気はなんだか物哀しいですよね。子供の頃の毎日外で遊んでいた夏休みの記憶の名残のような気がしますが、皆様はどうなんでしょうか?そして社会人になってから毎年思うんです「あ、夏らしいこと何もしなかった」と。。

別に海とか行きたい訳では決してないんですが、なんなんでしょうね?この後悔する感じ。冬が終わった時には別に「冬らしいことしなかった」と思ったことは一回も無いんです。文脈から言うと「冬休みは遊んでいなかった」となるのですが、そんなことはなくやはり遊びまわっていました。

結果、「夏には何か特別なものがある」と結び、このどうでも良い考察を終えたいと思います。。

今月の稼働率

さて、今月の稼働率です。
稼働率は、月の稼働日数(今月だと19日)×8時間を100%として、その月に決まっている合計工数を割る事で算出しています。参考程度に考えてください。大体150%を超えると、少し慌ただしくなってくる感じです。

今月は休みが多いですね。
稼働が19日という事もあり、稼働率が250%を超えると言うありえない事態となっています。 流石に緊急案件は受けられないと思いますが、あまりここに書いても全く関係なく緊急案件を投げて下さる(嫌な訳ではありますん)方が多いので、今月もそうなるんじゃないかと思っています。

今月のFONT紹介は“勘亭流”

フォント紹介と言うと偉そうなんですが、自分の勉強の為に毎月書かせて頂いています。意見も個人的な意見となりますが、良かったら読んでみて下さい。

今月は“勘亭流”を紹介いたします。
日本人であれば大抵の方は見たことのある雰囲気の書体で、歌舞伎の外題や看板などに用いる太くうねりのある様式化された書き文字です。

「書体のフォルダに入ってはいるけど、こんな書体いつ使うの?と言うかダサいよね」と、昔の自分は思っていました。ところが僕はこの書体に大切な事を学ぶこととなったのです。

先ずは見てみましょう

勘亭流

勘亭流

勘亭流

隙間なく線で埋められ、黒みが強い文字が特徴です。隙間を埋めるのは「お客さんが隙間なく入るように」と言う願いが込められているそうです。

自分は、先述した通りにこの書体を舐めていました。そして「使う事は絶対にない。だってダサいから」とまで思っていました。ところが、某ECサイトに掲載するデザインの制作に、使うことになったのです。そして、「ダサかったのは自分だ」と思い知らされました。

その案件は、初めから勘亭流を使用したサイトを参考サイトとして指定されていましたが、その頃の自分は「こんなダサい書体を使わずに、スタイリッシュにデザインしよう」と思っていました。ところがところが、いくらやってもクライアント様の達成したいポイントまで到達できずに苦しみました。
そのECサイトの扱っていた商品のアクの強さに負けてしまい、中途半端なイメージになってしまうのです。自分のエゴに固執してこねくり回し、徹夜して泣きそうになりながら、とにかくなんとかしようとしていた事を今でもよく覚えています。

結果はお分かりだろうと思いますが、「指定通り勘亭流を使ったらスッと馴染み、デザインの方向性が定まった」と言う結末です。今だったら別の解決策も見いだせたかもしれませんが、その時の自分にはそれしか見出せませんでした。

その時に「フォントに好き嫌いを言ってしまうのは、デザイナーの未熟さだ」と強く感じ、今までの自分の未熟さを知る事が出来る良い体験になりました。

ダメな書体はなく、ダメなのは使い方だったりします。
そして、ダサい書体などなく、使い方がダサい事がほとんどです。そう思うようになってから、自分のデザインが変わった気がします。
そもそも、デザインに方向性を与えるのは、デザイナーではなく案件そのものであるべきだ。と言うことに気づけたのは“勘亭流”のお陰でした。なので、僕にとっては凄く思い出深い書体です。

なんだか書体の紹介というより、自分の思い出話になってしまいましたが。。。
“勘亭流”が活きる案件はある(当然だ)。そして人に気づきを与える素晴らしい書体だ。というお話でした。

あ、最後にちゃんと“勘亭流”の紹介を。
歌舞伎や日本の伝統をイメージする案件に使用することはもちろんですが、力強い書体ですので、アクの強い対象と組み合わせるとバランスが良くなったりします。また、縁起が良い書体ともされますので、そこら辺も使用する際のポイントになったりしそうです。堂々と大きめに使用したい書体です。

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