色づく葉と澄んだ月と

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2021.11.01

2021年11月

朝晩の少し冷たくなった空気、そして色づく葉の色。そして夜空を見上げると澄んだ月が輝き、この時期は本当に美しく、また少し寂しい感じ(それもまた美しい)がします。とか言いながら、あまり色のない写真を見出しに使うあたり、自分のひねくれた人間性が出ているような、なんとも言えない感じ。
この写真は、名も無い山間部の風景なのですが、車で走っていてあまりの美しさに、思わず路駐して(こら)撮影しました。このような美しい風景に出会えると、とても得した気分になります。

話は変わりますが、ここの所すっかりと減った、コロナウィルスの新規感染者数。なんでそうなったのか、理由が全然わからないのが怖いのですが、ひとまずは良かったなぁ。と思います。油断はしないに越したことはないのですが、今まで頑張って来た方々は、少しは緩めても良いんじゃないでしょうかね。勿論、油断は禁物かもしれません。いや、少しは油断しちゃってもいいじゃないですか。(だめ?)

そしてそして、またしても話は変わり、11/3発売の雑誌「東京人12月号」で、自分の事を少し紹介して頂きました。取材当日、初めてお会いした編集担当の方、インタビュアーの方、カメラマンの方、それぞれが素晴らしく、とても丁寧な仕事をされる方々で「見習わないとなー」と思いました。雑誌については、商店街について特集した号となっており、とても面白い内容でした。ご興味のある方は是非お手に取ってみて下さい。

それにしても、もう今年も残りわずかですね。そして、今月の後半には私、EMDesignsとして開業して10周年を迎えます!ガガーン!というか、話の流れが酷いですね。。

今月のFONT紹介は“澄月”

フォント紹介と言うと偉そうなんですが、自分の勉強の為に毎月書かせて頂いています。意見も個人的な意見となりますが、良かったら読んでみて下さい。

今月紹介するのは、最近にMORISAWAからリリースされた新書体“澄月(ちょうげつ)”。なんと三ヶ月連続での日本語書体のご紹介。めずらしいー。これまたすごく良いのです。
まずはご覧ください。

澄月

筆でサラサラっと書いたようなフォントです。この時期にパッと思いつくのは「年賀状に良さそう」という事じゃないでしょうか?時期的にもピッタリですし、年賀状に大切な「気持ちを表す」と言う意味でも素敵な作りのフォントとなっています。

澄月

四行目の「なら」、最終行の「せず」にご注目ください。そう、繋がっております。これは、文字の並びを判別して形を変えてくれる、いわゆる合字と言われるものです。morisawaでは“連綿体”と呼んでいるそうで、その呼び名も美しいですね。

そして、機能はこれだけじゃない。

澄月

“ほのぼの”とか“おおらか”等、同じ文字を繰り返すような時に、文字の形が変わり、筆文字としてより自然な流れを生み出してくれます。また、横書きと縦書きで文字の形を変えたり、文の終わり(句読点の前)では、終筆の形を変えてくれたり、とても気の効いた機能が盛り沢山です。左の“天麩羅”“寿司”は変体仮名と呼ばれる、昔の仮名を使用したものです。

気になる混植ですが、欧文も勿論、ちゃんと筆で書いたようになっていて面白いです。

澄月 混植

澄月 欧文

んー。素晴らしい。気持ちを表すのに、筆文字はとても適していますが、デジタルっぽさがあると逆に白々しくなってしまったりします。でも、この“澄月”は、とても気持ちが籠っている雰囲気。というか、作り手の気持ちがすごく篭っていて、愛のあるフォントだと思いました。

フォントの技術の進化は、色々な事を可能にしています。中々使うのが難しかった筆文字も、ここまで優れたものが出てくると、使用できる機会が増えていきそうです。

また、最近では別のフォントでも“滲み”を表現したものとか、アナログっぽさを求めるものが増えて来ています。それもデジタルの技術が進んだからこそ出来る事です。しかも今はそれをWEBで表現でき、表現の幅が本当に広がったなぁ。と感動すら覚えます。(昔のWebは最小で1ピクセルでのカクカクした表現しか出来ませんでした)
僕らデザイナーは、このような素晴らしいフォントを作って下さる、メーカーの方に感謝して、美しいデザインをしていかないといけませんね。

さてさて、今年も残す所あと二ヶ月となりました。美しい季節を楽しみながら、より良い世界を目指して頑張りましょうー。

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