山ねこのOrnament

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2023.06.01

2023年6月のニュース

毎日をせわしない気分で過ごしていると、目の前の本当の美しさに気付かずに、白黒の世界で生きているような気分になったりすることがありますが、まさについ先日、雨降りの中傘を差しながら歩いている時に、そんな自分に気付かされました。

誰も通らない裏路地を、考え事をしながら歩いている最中、横から何やら視線を感じ見てみると、猫の顔が茂みから顔を覗かしていました。猫は紫陽花の茂みで雨宿りをしていたのですが、その可愛らしさと共に、紫陽花の鮮やかに発光するような色を目にした瞬間に、自分の中に世界の鮮やかな色が蘇ったかのように感じました。

その花の美しさを猫に伝え、お礼を言おうとすると、猫はちょっと迷惑そうにしてどこかに行ってしまいました。「まったく、人間は世話がやけるぜ」とばかりに。まったくその通りです。お恥ずかしい。

これから、梅雨に入るとやや暗い景色の毎日が続くこともあるかもしれませんが、そういう時にこそ輝いて見える紫陽花のような存在が、きっとあるような気がしますが、そういう事を忘れないようにしていきたいと思いました。そして、自分が忘れない。というだけでなく、先述の猫のように、時には色を失っている人を見たら、少しでもその人が色を取り戻すための、きっかけ作りぐらいは出来る人になりたいものです。その為には“自分が余裕を持って生きないといけない”ということは、言うまでもありませんが。

今月のFONT紹介は“Ornament”です

フォント紹介と言うと偉そうなんですが、自分の勉強の為に毎月書かせて頂いています。意見も個人的な意見となりますが、良かったら読んでみて下さい。

さて、本日のフォント紹介はいつもとは趣向を変えて「飾りフォント特集」をしようと思います。あまり馴染みがないかもしれませんが、繰り返し使用することで、フレームのような模様が描けたり、アイコンとして使用できたり、イラストのようなものまで、様々な種類がありますが、実は僕もあまり利用したことはないので、この機会に自分が持っている中から並べてみたいと思います。

DF Organics

DF Organics

見出し画像に使用した、太陽のイラストもこの中に入っています。手書きの温かみのあるイラストが揃っていて、ジャストで「こういうイラストが欲しい」という時に便利そうです。

FCaslon Ornaments ITC

FCaslon Ornaments ITC

Caslonの飾り書体です。エレガントな装飾となっていて、繰り返し使うことで罫線だったり、フレームとして使用できるようになっています。飾り書体の王道とも言えそうなラインナップです。

Monotype Sorts

Monotype Sorts

チェックマークやバツ印のようなものもあると思えば、雪の結晶、葉、花などの装飾用のものまで入っています。シンプルなので、アイディア次第で色々とできそうです。

Walbaum

Walbaum

以前紹介したモダンローマン体“Walbaum”の装飾書体です。シンプルに削ぎ落とされたモダンな装飾でありながら、曲線が有機的なのでレトロ感もあって、飾り線を作ってみると可愛いです。

Webdings

Webdings

これはWindowsにも搭載されていましたので、元々はWindowsから入った自分には懐かしく感じます。これは装飾というよりはアイコンとして使用する目的っぽいですね。人間が浮いてるっぽいのとか、手裏剣みたいなもの(方位?)とか、人工衛星みたいなものやら、見ていると結構面白いです。

Zapfino Extra LT

Zapfino Extra LT

Zapfinoの装飾書体、作者のエレガントなカリグラフィが見応えあります。指の表情の美しさや、線の強弱の優美さに見惚れてしまいます。うまいこと使えたらカッコ良さそうです。匠の技を感じます。

いかがだったでしょうか。装飾書体というのは、そもそもDTP以前の時代に、手軽に装飾を加える目的で作られたものですので、現在は積極的に使われるものではないかもしれませんが、今使うとしたらどう使うだろう?というのは、考えてみる価値はありそうです。これを見てみてアイディアが浮かんだ方がいたら、是非使ってみてください。

さてさて、今月はこの辺で。台風が来たり、雨が続いたり、やや重くてむさ苦しい空気の季節となります。でも、この時期の植物の活躍はめざましく、紫陽花はもちろんのこと、生き生きした苔なんかも美しくて好きです。
心に装飾してみたり、自分の中のカラフルさを忘れないように頑張りましょうー。

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