今回は「Typographic Systems」という本を紹介致します。
本のタイトル通り、タイポグラフィーに関する本ですが、純粋にタイポグラフィーの解説本。というよりも、どちらかというとページ1枚でのレイアウトにフォーカスされた本となっています。
副題は“美しい文字レイアウト、8つのシステム”とあり、実際にある作品や、学生による試行錯誤の図説を用いて解説されています。
世の中にあるレイアウトを、この本では以下の8つに分けて解説されます。
となっています。グリッド・システムや左右対称システムはなんとなくわかりますが、他は何の事かさっぱりわかりませんね。
でも読んでみるとそんなに難しい事はなく、実例として図解がありますので、スラスラと読み進められます。
この本は、基本的にはポスター制作を中心に解説されています。
でも、読んでみて思ったのは、あらゆるレイアウトに適用出来ると思いました。
Webサイト、バナー制作、文章作成等々。レイアウトに関する事全てに役に立つと思います。
ここで言うシステムは「このシステムを使えば、ポスターが出来る」という単純な物ではなく、基礎となる考え方を示したものとなっています。
本の流れは、基礎となるシステムの定義を行い、数人が同じ条件でデザインをし、試行錯誤(初期デザイン、中期デザイン、後期デザイン)している例が紹介され、解説する。という流れになっています。
同じシステムでも人によって全く違うデザインが出て来る事も面白いのですが、初期デザイン〜中期、後期デザイン。と進むに連れて洗練されて行ったり、より混乱して行ったりする様がまた面白いと思いました。
まるで、学校で授業をしているかのような感じ。と言いますか。
社会人となり、デザイナーとして働いていると、同じ定義の中で複数人が作品を制作し比較する。という事もなかなか出来ませんが、このやり方はデザインという“答えの無い”作業の勉強方法としては、非常に優れていると思います。
誰かの失敗は、同時に他の誰かの失敗として蓄積され、逆に誰かの成功は、他の人へ刺激を与え成功へと導きます。
この本は“単純に解説を読んで覚える”というより、解説を見つつも様々な作品の試行錯誤から学ぶ事が多いと思いました。
この本は、前述の通り作品から学ぶ事が多いです。
その為、次に読んだらきっと違う事を感じたり、前回に気付かなかった事が出て来るのではないかと思います。
2回目からは自分も生徒のような気持ちで参加してみる。というやり方も面白いかもしれません。
興味のある方は、是非読んでみて下さい。
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