制作後記
遼有堂の存在を知ったのは、少し前。誰かから“青梅に凄い大工がいる”という話を聞き、「凄い大工?」と思って、ウェブサイトを見たのがきっかけでした。なるほど、凄い。
そして、自分がよく通る道沿いに目立つ工房(とても洗練された建具)があり、いつも「あそこはなんだろう?」と気になっていた場所こそが、遼有堂の工房でした。(逆に遼有堂の峯岸さんが、当事務所を「あそこはなんだろう?」と思って見ていた。という裏話もありました)
その後、たまたま共通の知り合いから紹介していただく機会があり、お付き合いが続いていたのですが、この度ウェブサイトを作らせていただくことになりました。
制作するにあたって、「凄い大工さん」という情報しかなかった自分は、遼有堂とは、一体どんな仕事をするんだろう?と、お話を伺ったり、実際に制作風景を拝見したりする日々が始まりました。
しかし、知れば知るほど、見れば見るほど奥深い遼有堂の世界は、“大工”という一言で説明するのは不可能でした。
建物を建てるのは勿論ですが、器や家具等の小物や、店舗や庭のデザインから施工までと、とにかく幅広いのです。
そこで、遼有堂という存在を知って頂く為には、色々な角度からの視点が不可欠だと思い、施主からの声を中心に雑誌のインタビュー記事のように組み立てた“遼有堂の流儀”というコンテンツを設けました。
デザインは、遼有堂の仕事への姿勢を拝見した上で、それを表現すべく、一つの線、一つの間、一つの動きに、哲学を込めるつもりで作り込みました。
見ていただくとわかると思いますが、遼有堂の作品は皆美しく研ぎ澄まされています。実際の制作物は勿論そうですが、ウェブサイトで見る方にもロス無く伝わること。それこそが今回、一番心血を注いだ部分でした。それさえ見ていただければ「遼有堂が素晴らしい」と言うことは十分に伝わりますから。
今回の制作は、遼有堂という存在があったからこそ、ここまで出来た。と思っています。また、美しい写真を撮って頂き、過去の写真の色合わせをしてくださったフォトグラファーの
山口まり子さんにも感謝いたします。